捨駒。

入門者に将棋を教えるとき、まずは駒の配列や種類や動き、そしてゲーム性のような将棋の概念を教えます。今は優れた将棋アプリなどもあり、入門者もずいぶんとハードルは低くなっているとは思いますが、ツールも使い方一つで正しく棋力が伸びてくれたり、逆に全く役に立たなかったりします。

まずは駒落ちで子どもに好きに攻めさせます。攻めて攻めて攻めまくらせて、相手をやっつける楽しさに気づいてもらいます。ここでは最初に、数の理論で押すという単純な足し算の考え方を学びます。1対1や2対2だと仕掛けた方が負け、勝つには2対1、3対2と相手よりも駒の数を上回ることが大切だと教えます。これは攻めだけではなく守りでも同じことです。

さて、ここまでは簡単な足し算引き算ですから実は幼児でも出来ることです。ここからいくつかの段階が入りますが、「駒を捨てる」という概念が出てきます。ここで初級は卒業しているかもしれません。これまで散々、駒はただでやるな、ただでやったら負ける、勝ちたかったら駒得しなさいと伝えてきたことと真逆に、勝負を有利に進めるため、勝負に勝つためには、時に駒を捨てるという行為が必要になってくることを教えます。取った取られたよりも大切なのは捨てること、もう少し時間を進めると、相手が捨てた駒を拾うか拾わないかなど、どんどん選択肢も増えていきます。

よく将棋を人生に例える人がいますが、この辺りも人の生き方っぽいかなって思います。一見、無駄に見えるような捨てる行為に実は勝ち筋が隠れているなんて、、、深いですよね。子どもをどんな分野にしても伸ばしてあげたいと考えるのが親心です。一見、無駄に見えるようなことに大切なことが隠れてたりするものです。子どもには思考力や創造力を身に付けさせたいですよね。

ここは足し算よりも捨て駒の理論で、無駄の中、余裕の中にこそ芽生えるものと考えてみませんか?

 

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