将棋が好きって言ってくれてありがとう。

この教室では色々とやっているのですが、なかなか成果が見えにくい分野もあります。元々子どもが何かを身に付けようとする中でそんなに順調にいくようなものなんて無いのでしょうけど、世の中には必ず結果が(短期間で)出るみたいな触れ込みが多すぎて、少なからず私もそれに日々影響を受けているわけです。

思い返せば私が中学生くらいですかね?週間少年ジャンプの裏表紙の広告に載っていたブルーワーカー。知ってますか?「全くかんたんだ!」のキャッチーなコピーで半年後にはムキムキみたいな筋トレグッズです。他にも毎日15分のトレーニングで視力が回復するとか、寝てる間に聴いてるだけで学力が向上するカセットテープとか。

一日5分聞き流すだけの英会話教材や、結果にコミットするフィットネスクラブとか、とにかく必ず結果が(短期間で)出ることを前提で日々CMや広告で訴えかけてくるので、これは無意識の中に刷り込まれているのではないかと感じるわけです。そして、これを多様しているのが教育産業という現実もあるわけで、やったら出来る、皆やってる、ここで勉強したら高学歴になれる、エリートになれるとか、占いや保険のようなある種の不安産業みたいな胡散臭さすら感じます。

表題に戻ると、昨日ある生徒のお母さんが帰り間際に、子どもはプログラミングよりも将棋が好きだと言っていると伝えてくれました。いや~、これ救われました。実は、将棋に関しては結構悩んでいまして、最近は入会時に選択できるようにして基本的にはプログラミングをメインにする方針にしています。

将棋に限らず、プログラミングでも楽器でもそれを職業にする人がいるわけで奥は限りなく深いわけですが、その導入部としては私の個人的なイメージですけど、将棋は初学者に優しい分野だという認識です。理由としては、駒落ちなどレベルに合った対局が出来る、100万円の盤駒でも100均の盤駒でも基本性能が道具に左右されない、分かりやすい教本やホームページやアプリも探せばすぐに手に入ります。これが楽器となると、やはり100万円のものと1万円のものでは音色もタッチも歴然とした差があり、教本やネット情報での独習も難しく導入部から結構な差があるわけです。

そんな訳で将棋は家庭学習にも向いていて、生徒にはお願い以上課題以下くらいの緩い位置づけで毎日15分~30分程度将棋には触れてもらっています。ただ、これがなかなか実際の棋力の向上には繋がらなくて、私も指導方法に関しては色々と試してはいるのですが難しいのが現実です。本当に基本的なこと、三手先の読みを徹底することなど丁寧に注意深く探ることから始まるわけですが、ここが既に難しかったりもするわけなんですよね。

時々、生徒の前でオンライン対局でインターネットの向こう側にいる見知らぬ人との対局を見せます。途中、どんなことを考えて指しているのか、3手の先には5手先7手先9手先と思考が伸びていることを実際に指し手を言葉にしてみたり、対局の結果勝った時は大袈裟に喜び、負けた時は大袈裟に悔しがったりして、将棋は面白いものだということが伝わっているのならそれはそれで大成功です。

将棋が好き、将棋が楽しいと言ってくれて本当にありがとう。

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